No.7「ローマのレストランでの驚き」の冒頭に、ローマで訪れたカピトリーノ美術館の「皇帝マルクス・アウレリウスの騎馬像」を掲げましたが「その日はローマのいろいろの場所を訪れた」とも書きました。その訪れた場所の一つが、ドーリア・パンフィーリ宮殿です。 ドーリア・パンフィーリ宮殿はローマの中心部、ヴェネツィア広場の北に位置し、パンテオンからも近い位置にあります。ここはパンフィーリ家所有の宮殿であり、現在も住居とし使われていて、その一部が美術館として公開されています。ここにはカラヴァッジョの初期の絵画「マグダラのマリア」と「エジプトへの逃避途中の休息」があります。 しかし何といってもこの美術館の「目玉」は、絵画史上における肖像画の傑作、最高傑作と言ってもいい絵画作品です。ベラスケス(1599-1660) が描いた「インノケンティウス十世の肖像」(1650) です。スペイン王室の宮廷画家だったベラ