斉藤光政『偽書「東日流外三郡誌」事件』(新人物往来社、2010)を読んだ。ニセ歴史に興味ある人の間では前から有名らしい本の文庫版である。 偽書「東日流外三郡誌」事件 (新人物文庫 さ 1-1)posted with amazlet at 13.09.05斉藤 光政 新人物往来社 売り上げランキング: 119,321 Amazon.co.jpで詳細を見る 著者はジャーナリストで学者ではないのだが、東奥日報の司法担当の記者だったのがふとしたことからあやしい古文書『東日流外三郡誌』関連の著作権問題訴訟を調査することになり、どんどん(いい意味で)深みにはまっていって偽書の疑いもある古文書の真贋問題に関して粘り強い取材を続けていくという話になっている。 まずはニセ歴史に関する本として面白い。今からすると、東北の歴史を覆すような内容が書いてあると言われる『東日流外三郡誌』は和田家文書というもののひとつ