写真家・森住 卓 「真実は曲げられない」と語り始めた宮平春子さん 「日本軍の命令がなければ絶対、死ななかった」「米軍に捕まるより自決しなさいといわれて、手榴弾を渡された」… 文部科学省の検定意見で、沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」について日本軍の関与・強制が高校歴史教科書から削除されたことに抗議し、一一万六〇〇〇 人が集まった県民大会(九月二九日)。この日、沖縄中が怒りに燃えました。会場行きのバスに乗りきれなかった人たちが、一日中街にあふれていました。 なぜ今になって、軍の命令をなかったことにするのか。真実は曲げられない。 あまりにつらい記憶のため、これまで口を開かなかった人たちが体験を語り始めています。宮平春子さん(82)もその一人。県民集会でメッセージを代読してもらいました。慶良間諸島・座間味島に住んでいます。 戦前、座間味島は半農半漁の静かな島でした。一九四四年九月、日本軍は慶良間