11月10日に放送された『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK総合)第42回「東京流れ者」。政府によってオリンピック担当大臣に任命された政治家・川島正次郎(浅野忠信)が、田畑政治(阿部サダヲ)にジリジリと忍び寄る。 笑顔を絶やさず、飄々とした雰囲気を醸し出す川島だが、東龍太郎(松重豊)と会食するシーンでは、発する言葉の節々に田畑や東に対する圧力が感じられる。第41回で田畑から「国民の一人一人がさ、“俺のオリンピック”だって思えるように盛り上げてくれよ、先生方!」と責め立てられたとき、川島は黙っていたが、その目は冷ややかだった。「日本のオリンピック」「国民のオリンピック」と発した川島の面目をつぶすような田畑の発言に、苛立っているようにも見えた。しかし川島は、その苛立ちを直接ぶつけるようなことはしない。外堀を埋めるように田畑を追い詰めていくのだ。 川島は「オリンピックは経済成長の