去年の年末の話だ。 ひいばあちゃんが死んだと、実家から連絡が入った。 すぐ実家へとび、すぐに通夜、お葬式が開かれた。 つっても、あんまり親戚は集まってなかったし、集まった親戚も葬式特有の暗さは全く無かった。ていうか、久しぶりにあった親戚同士談笑していた。 それもまぁ有る意味当たり前で、ひいばあちゃんは結構前からもう、老人ホーム的なところで、「ただ生かされてる」状態だったから。言い方悪いが、ぶっちゃけほとんど死んでたも同然だったのだ。もうここ1年ほどは、誰に会っても何の反応もできない状態。ときどきスタッフの人が寝返りうたせて、点滴うたせて、痰とって……本当にただ生かされているという状態だった。それが、ある時熱を出して、ころりとそのまま逝っちまったらしかった。 「まあそろそろかと思ったよ」皆そんな感じの雰囲気だった。不思議な雰囲気だった。皆別に、ひいばあちゃんが嫌いだったわけじゃない。つーか寧
サキとは彼女の自宅近く、湘南台駅前のスーパーマーケットで待ち合わせをした。彼女は自転車で後から追いつくと言い、僕は大きなコインパーキングへ車を停めた。煙草を一本吸ってからスーパーマーケットへ向かうと、ひっきりなしに主婦的な女性かおばあちゃんが入り口を出たり入ったりしていた。時刻は午後5時になる。時計から目を上げると、待たせちゃったわねと大して悪びれてない様子でサキが手ぶらでやってきた。 お礼に料理を作るとはいえ、サキの家には食材が十分足りていないらしく、こうしてスーパーマーケットに寄ることになった。サキは野菜コーナーから精肉コーナーまで、まるで優秀なカーナビに導かれるように無駄なく点検していった。欲しい食材があると、2秒間程度それらを凝視し、一度手に取ったじゃがいもやら豚肉やらを迷うことなく僕が持っているカゴに放り込んだ。最後にアルコール飲料が冷やされている棚の前へ行くと、私が飲むからとチ
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