インターネットといえば、世間の関心はもっぱらフェイスブックを中心とするソーシャルメディア系に集まりがちだが、この企業の存在も忘れてはならない。米西海岸のサンフランシスコに本社を構えるクラウドコンピューティングの有力企業、セールスフォース・ドットコムだ。この3年で売上高は2倍強の16億5700万ドル、利益は3倍強の6447万ドルに拡大(2011年1月期)。社員数も3年前と比べて倍増し、5300人を超えた。そんな伸び盛りの米国企業ゆえに、個人の競争心を煽るような組織運営がなされているのだろうと思ったら、大間違いだった。創業者のマーク・ベニオフ会長兼CEOが語る人材・組織マネジメント論は、信頼性や価値観、合意推進を重視する日本流にどこか相通じるユニークなものだった。(聞き手/ジャーナリスト 瀧口範子) マーク・ベニオフ(Marc Benioff) セールスフォース・ドットコムの創業者、会長、CE