農林水産省は10日、炊いたコメを使ったおにぎりや弁当などを対象とする、新しいJAS(日本農林規格)制度の導入を決めた。ご飯の食味や品質を維持するため、流通過程で温度を一定に保つなどの条件をクリアした食品にJASマークを表示し、消費者においしさや安全をアピールできるようにする。 新規格は「定温管理流通JAS」。弁当などの製造直後から小売店で客が買うまで、適温で管理されることが認定の条件になる。コメは冷えると硬くなり、温度が高いと腐りやすくなるため、コンビニ業界などは専用の配送車などで管理している。新たなJASは、こうした取り組みを後押しする狙いもある。 JASは、農産加工品の品質を保証するものと、農畜産物の生産方法を表すものがあるが、流通方法に着目したのは初めて。同省は業界への周知期間などを経て、早ければ今年10月ごろには、表示できるようにする方針だ。【工藤昭久】