太平洋に注ぐ十勝川の河口にある豊頃町が今冬、一躍注目を浴びた。厳冬期に海岸に打ち上げられる氷「ジュエリーアイス」が国内外のメディアに取り上げられ、ツアー企画も始まった。町は来シーズンから官民を挙げて売り込みをかけるつもりだ。 零下10度を下回った2月中旬の早朝、河口近くの大津海岸に6台の乗用車が止まっていた。ナンバーは札幌や旭川、釧路などで、カメラや三脚を手にするグループも。朝日を浴びたジュエリーアイスを楽しもうという人々だ。腰を下ろして撮影したり、手にとって透かして見たりしながら、「きれいだね」と感嘆の声が漏れた。帯広市の30代女性は「つい引き込まれて、ずっと見てしまう」。海岸に寝そべり、スマートフォンでジュエリーアイスと「自撮り」した男性は「いい記念になりました」と満足そうだった。 ジュエリーアイスとは、1月から2月にかけて十勝川の氷が太平洋に下り、波で海岸に打ち寄せられたものだ。透明