ソフトウエアの良いところは、工業製品や建物、農産物などと異なり、たった1つだけをつくれば済むことだ。工業製品などは全く同じものでも、ニーズの数だけつくらなければいけないが、ソフトウエアはニーズの数だけコピーすればよい。だらこそ、パッケージかクラウドかといった提供形態を問わず、ソフトウエアビジネスは成功すれば、営業利益率が4割、5割といった具合にとてつもなく儲かる。 読者の皆さんにとっては、こうした話は「何を今さら」だろう。マイクロソフトやオラクル、SAPといった外資系ITベンダーは、それでしこたま儲けた。だが、日本のITベンダーの場合、ソフトウエアの素晴らしい特徴の恩恵を受けることができない。SIerや下請けのITベンダーは、単品モノのソフトウエア開発がビジネスの中心だからだ。もちろん、これも「何を今さら」の話だ。 では、ユーザー企業の側から見るとどうか。「お前ら、いくらなんでも儲けすぎ」