女性が管理する金融機関の口座には、給与や児童扶養手当などが入金されても、すぐに生活費や各種支払いで引き落とされてしまう。通帳の残高(右の欄)は1000円を切ることも=提供写真(画像の一部を加工しています) 困窮した人が、生活を立て直すために活用できる制度の一つが生活保護だ。ところが、受給を希望する人の「壁」となっているのが車の保有だ。車があることで「最後の安全網」が機能しないケースがあるのはなぜだろうか。 「車があるため、生活保護を受けられないと言われました」。ある30代の女性はこう語り、肩を落とした。女性はうつ病とパニック障害を抱える。療養をしながら60代の母親、中学生と小学生の子どもと計4人でアパートに暮らす。 数年前から体調を崩した女性は半日しか働けず、収入が半減。現在の一家の月の収入は母親が9万円、女性が4万円の計13万円。医師からは入院を勧められているが、治療費が捻出できない状況