わたしは英国王に給仕した (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集) 作者: ボフミル・フラバル,阿部賢一出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2010/10/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 150回この商品を含むブログ (26件) を見る現代チェコ文学の代表的存在といわれる(前回も書いたなこれ)ボフミル・フラバルの長篇。「プラハの春」ののち、作品の公刊が阻まれた時期に書かれたもののため、執筆時期はあいまいだけれど、「あまりにも騒がしい孤独」と同時期の70年代ごろの作品だという。 チェコという「小さな国出身の小さな男」、名字も「子供」の意味があるヤン・ジーチェという駆け出しの給仕人を語り手に、彼の成り上がりと没落の物語を、マサリクの共和国、ドイツの保護領となったナチス時代、社会主義政権下のスターリニズム時代という激動のチェコ現代史を背景に、人間味あるユーモアに満ちた悲