2006年09月25日15:00 カテゴリ書評/画評/品評 人間は脳で食べている 読み終わった後に、思わず「ごちそうさまでした」とのたまってしまった。 人間は脳で食べている 伏木 亨 実においしい本であった。 本書「人間は脳で食べている」に限らず、著者の伏木 亨氏は、「おいしさ」にはまった人である。氏の著作はほとんどが「おいしさの研究」に充てられている。その世界は、氏でなくともはまるほど面白く奥深い。伏木氏は学究としてこの世界にはまったのであるが、別に学究でなくともこの世界の広さはわかる。美味しんぼはいつまでたっても終わらないし、グルメ番組が放映されない日もない。憶測だが、職業的にこのおいしさの世界にはまっている人は2割を超えるのではないか。 たいていの場合、その探求は食べ物そのものに行くのだが、伏木氏がひと味違うのは、それを「食べ物を食べる者はどう見ているのか」という目で追求していること