「若者の持家離れ」や「若者の車離れ」など「若者の~離れ」という表現を最近よく耳にしますね。晩婚化を指して「若者の結婚離れ」とも言われます。 若者が「草食化」し、欲望を失ったことがその理由だという奇天烈(きてれつ)な指摘をしばしば耳にしますが、そうではありません。やはり経済的理由が大きいのです。日本では長くデフレ不況が続いています。デフレ下では、物価や賃金が下がる反面、お金の価値が上がります。モノを買わずにお金を手元に残しておいた方が合理的なわけです。 非正規就業者の増加も「若者の~離れ」現象の要因となっています。25~34歳の男性の非正規就業者の割合は90年代初頭はせいぜい3%程度でしたが、現在は16%。家や車のローンは定期的な収入の見通しがあってこそ初めて組む気になりますよね。非正規就業の若者は家や車が欲しくても、なかなか手に入れることができないのです。 「結婚離れ」も経済的要因が大きい