売るだけじゃない、寄り添う心 手放す際の「里帰り」制度 生身の人間だけではない 価値観が多様化する現代、人生のパートナーへの考え方も変化している。アニメの主人公と結婚式を挙げる人が生まれる中、創業45年を迎えるラブドールのメーカー「オリエント工業」は、以前から購入者向けの相談室を設けるなど丁寧な対応を心がけてきた。そこで垣間見られるのは、お客が人形に対して〝一人〟のパートナーとして向き合う姿だ。孤独や孤立が問題とされる現代。生身の人間ではない相手を恋人や家族として迎えることはできるのか? 様々な事情を抱える男性にパートナーを提供してきた「オリエント工業」の足跡から考えてみた。(ライター・千絵ノムラ) オリエント工業 1977年、特殊ボディーメーカーとして東京・上野に創業。ラブドール第1号の「微笑」を発売。2001年にはシリコン製一体型ラブドール「ジュエル」を発売。30周年の2007年にはヴ