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  • アベノミクス・変調から見える消費の低迷 - 経済を良くするって、どうすれば

    天候の異常が当たり前になってしまった日であるが、今年の7月は雨続きで、消費にも悪影響が及んだようである。とは言え、景気の状況については、「内需堅調、外需不振」という評価が一般的な中で、7月の商業動態・小売業の落ち方は、あまりにも激しく、いくつかの攪乱要因に隠れて、消費の基調が相当に弱まっているのではないかと、疑わせるものだった。これでは、すべてが露呈する10月の消費増税後に不安を抱かざるを得ない。 ……… 4-6月期は、消費が思わぬ高い伸びとなったものの、総合指数で内実を眺めれば、4月だけが飛び抜けて高く、5,6月で落ちて元の水準へと戻っている状況だ。そこに、7月の小売業の前月比-2.4という極端な落ち込みである。これからすると、総合指数の7月が横バイで済んだとしても、1-3月期並み水準ということになり、小売業の1/3程の低下ともなれば、4-6月期での積み上げを7-9月期の減少で失ってし

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    asakura-t
    asakura-t 2019/09/04
    これは五輪絡みなのかなぁ>「建設財の動向は堅調で、建設投資が景気を支えているという面はある」 であれば来年には激減してそう。
  • 1-3月期GDP2次・参院選惨敗への軌跡 - 経済を良くするって、どうすれば

    たしか、春から夏にかけて急速に景気が悪化したことが前にもあったね。そうそう、建築偽装やサブプライム問題があって、後半が下り坂になった2007年だ。もう12年前になるのか。この時も亥年の参院選があって、与党が惨敗したんだっけ。5月までは支持率も高かったのに、6月からの下落がひどかった。年金問題が直接の理由とされているけど、選挙イヤーなのに、新規国債を4.5兆円も減らしたなんて、緊縮を自慢したりと、おごりもあったんだよ。第一次安倍政権のことさ。 ……… 月曜に公表された1-3月期GDPの2次速報は、法人企業統計で予想されたとおりの内容で、わずかに上方修正されただけであった。実質2.2%成長と言っても、輸入の減少と在庫増によるものであり、実質的には、ほぼゼロ成長である。1次速報でマイナスだった設備投資は、2次でわずかなプラスに変わったものの、法人企業統計で判明したことは、既に製造業はマイナスに転

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    asakura-t 2019/06/20
  • この国に必要な穏健な財政 - 経済を良くするって、どうすれば

    骨太方針やら、参院選公約やらが固まり、10月の消費増税も決まりの様相となってきた。アベノミクスの6年間の実質成長率の年平均は1.2%しかないのに、財政収支は1.2%も改善している。こんなに緊縮していなければ、成長率は2倍になって、とっくにデフレを脱却していたはずだ。それなのに、更なる緊縮を敢行するつもりらしい。この国に必要なのは、穏健な財政への転換である。 ……… 世間の人々は、過激な緊縮が行われているとは、まったく思っていない。長年にわたって積み重なった公債残高の巨大さばかりが強調され、年々の収支の変化は、伏せられているからである。各界のリーダーや有識者であっても、マスコミを通じた官製の発表物に馴らされているため、当の実態を分からないまま、財政の「危機的状況」に関する見解を再生産させられている。統計データを自らチェックする者しか、実情を知らないのである。 財政収支を実態を、日銀・資金

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    asakura-t 2019/06/20
  • アベノミクス・悪夢まであと一歩の崖縁に - 経済を良くするって、どうすれば

    景気動向指数の先行指数は、3月改定値で95台まで下がり、「悪夢のような」民主党政権期に記録した95割れまであと一歩となった。そして、これに先行する5月の消費者態度指数は、消費増税後の最悪時以来の40を割れを記録した。40前後の数字は、政権交代に結びついた2012年の民主党政権期並みであり、アベノミクスに対する消費者の評価は、そこまで落ちているということである。これで、消費増税を抱えたまま参院選に臨むのは、なかなか厳しいのではないだろうか。 ……… 週末に4月の経済指標が一斉に公表され、鉱工業生産は、前月比+0.6となったものの、3月の減を埋める程度に止まり、1月に急減して以来、低水準での一進一退が続いている。特に、設備投資を占う資財(除く輸送機械)に至っては、2か月連続の減であり、下げ止まってないように見受けられる。この4月の100.5という水準は、2年前の2017年4-6月期をも下回り

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    asakura-t 2019/06/20
  • 1-3月期GDP1次・景気はもっと悪くなる - 経済を良くするって、どうすれば

    1-3月期GDPの1次速報は、若干のマイナス成長になるとの大方の予想を覆し、実質年率2.1%の高成長であった。むろん、その高成長に内実はなく、弱い内需を映す輸入減によるもので、そうした分析が広く知られたことは幸いだった。ただ、エコノミストの読み違えは、これが理由ではない。設備投資が不可解なほど粘りを見せたためである。すなわち、設備投資には、もっと悪くなる可能性が潜んでおり、今後の景気の行方には、相当な警戒が要るということだ。 ……… 今期のGDPの特徴は、消費、設備投資、輸出という重要な3つの需要項目が揃ってマイナスに転じたことである。前期比-0.2となった家計消費(除く帰属家賃)は、けっこう深刻な状況にあり、237兆円台は、消費増税前どころか、アベノミクス開始時の2013年1-3月期をも下回る。6年の時を経て、国民生活をまったく豊かにできていない。当然、10月の消費増税までに、2014年

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    asakura-t 2019/06/20
  • アルゴリズム思考術からの経済学 - 経済を良くするって、どうすれば

    主流派経済学の根的な欠陥は、ヒトの時間の制約を考えないことである。ヒトは利益を最大化するよう行動することを公準に据えているが、人生は限られていて、分散が効かず、変動リスクの下では、大損を避けようと、期待値に従わずに、敢えて収益の機会を捨ててしまう。これが相互作用を経て自己組織化を起こし、不況というマクロでの不都合な現象を生じさせるのだ。こうした時間の有限性や不可逆性、環境の変動性や複雑性、情報の不確実性や不完全性が存在する現実に対して、どんな行動が理に適うのか。B・クリスチャン&T・グリフィスの『アルゴリズム思考術』は、最善の在り方を教えてくれる一冊だ。 ……… 「探索と活用」の章では、「最良のものを選ぼうとすることが必ずしも最も合理的な行動方針でないのはなぜか」と投げかける。最良を求めての挑戦と、現状に止まっての利活用とは、トレードオフの関係にあり、どこかの時点で見切りをつける必要があ

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    asakura-t 2019/05/20
  • 「追われる国」の経済学に見る長期停滞論 - 経済を良くするって、どうすれば

    リーマンショック後などの長期停滞は、なぜ、生じるのか。『「追われる国」の経済学』で展開されるリチャード・クーさんの説明は、バブル崩壊後には、借金返済が優先されるバランスシート不況が起こり、それが過ぎても、新興国に「追われる国」では、高収益の海外投資が国内より優先されるために低成長に陥ってしまうというものである。クーさんの経済分析は、実態に根差した鋭いものがあり、これらが要因の一つであることは確かだろう。今回は、需要管理の観点から、普遍化を試みたい。 ……… 長期停滞の先例である日の場合、バブル崩壊後のバランスシート不況は、いつまで続いていたのか。筆者は、1992~94年の3年間だったと見る。設備投資は、1995年に上昇に転じているからだ。ただし、この間の設備投資の急落については、別の見方も可能だ。1991年までのバブル期には、設備投資のGDP比がかなり上昇しており、過剰な投資の解消に必要

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    asakura-t 2019/05/20
  • 平成金融史の背景と教訓 - 経済を良くするって、どうすれば

    西野智彦さんのは、すべて読んでいて、話の筋は承知しているはずなのに、『平成金融史』(中公新書)では、臨場感ある展開に引き込まれ、読む手が止まらなかった。金融危機の当時は、目くるめく出来事の中で、どんな事態になっているのか、正直、分かっていたとは言えず、後にして思えばということばかりである。そして、改めて西野さんの新著を読んで思うのは、繰り返えされることが起こっていたに過ぎないということである。 ……… 平成の金融にとって最大の課題は、バブル崩壊後にできた不良債権をいかに処理するかだった。ただし、それは、会計的には自明でも、マクロ的にどんな意味を持つかは別である。なぜなら、融資で買った土地が半値に落ちて不良債権になった側がいる一方、土地を売って濡れ手でアワの利益を現金で確定させた側もあるからだ。不良債権の処理は、これに充てる銀行の資産を減らすが、地主の資産はバブル前より増えているので、いわ

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    asakura-t 2019/05/20
    やっぱ1997年が酷かったんだな、と改めて。
  • アベノミクス・崖に連れて行かれるのか - 経済を良くするって、どうすれば

    これは、かなり厳しい結果だ。連休前に公表された3月の経済指標は、景気が「悪化」していることを如実に表すものとなった。どうも、政権側近が言う「崖に向って連れて行く」展開になってきたようである。こうした状況に至っても、中国の景気対策による輸出の回復に望みをつなぐ向きもあるが、他国に寄りかかる経済運営で良しとするのは、無責任ではないか。自分の城は、自分で守らなければならない。運次第の外需に身を任せ、成長より財政を可愛がる愚は、平成で終わりにしたい。 ……… 設備投資の動向を示す資財出荷(除く輸送機械)は、1-3月期の前期比が-8.2と大きく崩れた。これで、1-3月期GDPでは、設備投資が相当なマイナス要因となることは避けられない。一応、生産予測では4,5月にV字回復する形だが、季節調整が上手く掛かってない可能性があり、3月に在庫が急増し、先行する機械受注も落ちていることから、当てにならない。輸

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    asakura-t 2019/05/20
  • 子守り互助会の二分法的な経済学 - 経済を良くするって、どうすれば

    困ったときに子守りをし合う互助会を作り、サービスを受けるばかりにならないように、会が利用券を発行して、サービスがなされた都度、受け渡しをするルールとする。この場合、会を円滑に運営するコツは、利用券を実施量より多めに発行することだ。なぜなら、いざというときに備えて、利用券を退蔵しておこうという性向があるからだ。ここで重要なのは、利用券と実施量は、二分される別の存在になるということである。 ……… むろん、以上は、現在の経済が貨幣経済と実体経済に二分されていることの比喩である。運営の難しさは、退蔵の性向が需要の動向によって変化するところだ。企業が需要にリスクを感じ、お金を貯め込み設備投資を抑えると、資も人材も十分に使われない不合理な状況に陥る。これが不況であり、その処方箋は、財政を使って貨幣を膨らませ、需要を補うことによって、企業の不合理な行動を癒すものである。 子守り互助会であれば、利用券

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    asakura-t 2019/05/20
  • アベノミクス・1-3月期はマイナス成長の恐れ - 経済を良くするって、どうすれば

    先月のコラムで、景気後退期にある可能性を指摘したが、事態は悪化の様相を見せており、1-3月期はマイナス成長もあり得る形勢となってきた。むろん、そうなれば、アベノミクスのイザナミ景気超えは、幻だったことになる。もはや、去年の実質賃金のプラマイの議論に熱中している場合ではない。不況下で消費増税をする愚行から、いかに緊急脱出を図るのか、真剣に考えるべきときに至った。 ……… 2/28公表の1月の鉱工業指数、住宅着工、商業動態のどれもがネガティブ・サプライズで、心配していたことが現実となった。鉱工業生産は、前月比-3.9と大きく下がり、3か月連続の低下である。2,3月の予測指数を基に計算した1-3月期の前期比は-1.5に落ちてしまう。この水準は、災害のために大きく低下した7-9月期とほとんど変わらない。しかも、予測指数の実現率の低さを踏まえれば、更に下ブレする可能性が強い。 設備投資の動向を示す資

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    asakura-t 2019/03/07
  • 消費増税は何のため・失われた20+α年 - 経済を良くするって、どうすれば

    財政収支の指標としては、プライマリーバランスがよく使われるが、それに限られるわけではない。GDPの部門別勘定における「貯蓄(純)」も、実態を知るために、とても貴重なものだ。そこから見えるのは、デフレと物の財政危機をもたらしたのは、消費増税を中心とする緊縮財政だったという、やるせない事実である。消費増税自体が目的ではなく、手段だとすれば、一体、何のために行うのか、よく考えるべきだろう。 ……… そもそも、貯蓄(純)とは、プライマリーバランスを算出する下地になるものであり、これに「資移転」、「固定資形成」等の増減を調整した上で、利子の受け払いを差し引いたものだ。ざっくり言えば、財政収支から公共事業を除いたイメージである。公共事業は、国債で賄うとしても、インフラの実物資産が残り、次世代の便益にもなるから、これを除いた収支にも十分な意味がある。 意外にも、貯蓄(純)は、1997年に消費増税を

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    asakura-t 2019/03/07
  • 10-12月期GDP1次・2018年間はマイナス成長を記録 - 経済を良くするって、どうすれば

    バレンタインデーに公表された10-12月期GDP成長率は、実質年率で+1.3%だった。前期の災害に伴う急落からのV字回復が期待されたが、半返しにとどまり、見た目とは違って、かなり重大な局面に至っている。実際、2018暦年の実質GDPは、前年10-12月期と比べ、わずかながらマイナスとなり、この1年間、まったく成長していないことが示された。輸出の増加が止まり、GDP比1%強の緊縮をした結果がこうであれば、次の2019年は、輸出が減退する可能性が高く、消費増税も敢行するわけで、再びのマイナス成長が懸念される。 ……… 10-12月期の実質GDPは534兆円と、前年同期とほぼ同じになり、2018暦年でも534兆円にとどまって、この1年間は、まったく成長できなかったことが示された。一般的な暦年どうしの比較だと、2017年内の成長が影響するため、+0.7%成長となるが、直近の1年間はゼロ成長というの

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    asakura-t 2019/02/20
  • 緊縮速報・賃金伸び悩みの原因とは - 経済を良くするって、どうすれば

    売上が立たねば、賃金も上げられない。政府が緊縮を敷き、GDP比で1%超も資金を吸い上げていたら、内需が伸び悩むのも道理であろう。政府ができることは、緊縮を加減して内需を伸ばし、賃上げを促すことだが、政府予算案の緊縮度合いについては、ロクに議論もされず、去年の実質賃金がマイナスだったか否かで白熱しているようだ。アベノミクスが、輸出を増やした反面、内需を低迷させたことを踏まえ、どう直すかの主張があって然るべきだと思う。 ……… 2/1に公表された国の税収の12月実績によれば、2018年度の累計額は、前年同月比+4.2%となっており、補正予算の見込む税収額59.9兆円(前年度決算比+1.9%)を大きく上回るのは、確実な情勢である。その分だけ予定外の緊縮となるわけで、コラムの予想額は、法人税の増加率が企業業績見通し並みになるという設定で、61.1兆円まで上ブレすると見ており、緊縮幅は1兆円超に及

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    asakura-t 2019/02/20
  • アベノミクス・景気後退期にある可能性 - 経済を良くするって、どうすれば

    災害のあった前期の反動増で高めに出るはずだった10-12月期GDPは、落ち込みを埋めることもできそうにない厳しい状況にある。そうすると、次の1-3月期次第では、景気のピークは前々期の4-6月期だったことになってしまい、今は、既に景気後退期にあるという位置づけとなる。1-3月期の成長が年率1.6%を超えて来れば、景気拡大は続いていることになるにせよ、簡単ではない。そして、景気維持の最後の砦は、消費になるが、10月には増税で着実に潰す予定だ。この国は、一体、何を目指しているのだろう。 ……… 12月の鉱工業指数は、出荷が前月比+0.3となり、10-12月期の前期比は+1.9と、わずかながら、前期の減を埋め切れなかった。図でも分かるように、昨年春頃のピークを超えられずにいる。今後についても、生産予測を見る限り、良くて横バイで、低下する可能性が高い。特に痛いのは、設備投資の動向を示す資財(除く輸

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    asakura-t 2019/02/04
  • 少子化とは経済の問題、意識のせいでなく - 経済を良くするって、どうすれば

    少子化は意識や文化の問題」とする人がいるのだが、ありていに言えば、カネの問題だ。経済より、意識や文化はゆっくり変化するものなので、意識や文化の遅れが原因に見えてしまう。原因は、経済に発する。意識や文化を経済に適応させるのも大切だが、それに力を入れていると、根にある経済の解決に行き着かなくなってしまう。世の中、カネで解決のつくことは多い。少なくとも、意識や文化を変えるよりは容易だ。まあ、こんな露悪的なことを言うから、嫌われるのだが。 ……… 前田正子先生の新著『無子高齢化』は、少子化の原因に若者の困窮があることを強く指摘していて、共感できる内容だった。むろん、少子化には複合的な要因があるのだが、政策的に解決すべき対象を特定することは、極めて重要だ。「それは十分条件でない」と批判するより、主な必要条件を順につぶしていくべきだ。学術的な真実の追求とは異なり、極端に言えば、若者の困窮にテコ入れ

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    asakura-t 2019/01/25
  • マクロ経済にとっての生産性とは何か - 経済を良くするって、どうすれば

    豊かになるためには、労働生産性を上げなくてはならない。働き手を増やしたり、勤めを長くしたりすることには、限度があるからだ。そうなると、より多くの生産をしようとするなら、設備投資をして、装備する資を増やす必要がある。すなわち、労働生産性を上げるということは、設備投資をするということなのだ。その際、できるだけ効果の高い設備投資を選ぶべきは当然だ。焦点は、どうやって設備投資を増やすかである。今回は、ミクロの生産性まで論じている宮川努先生の『生産性とは何か』を参照しつつ、考えてみたい。 ……… 何に設備投資が最も左右されるかというと、経験的には明らかで、需要である。売上が増えると見込めば、設備投資するという平凡な事実だ。ところが、そうなると、生産性の向上が成長を生み出すのか、逆に、成長が生産性の向上をもたらすのか、因果関係が不分明になる。実際には、相互作用があるわけだが、ともすると、革新性があれ

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    asakura-t 2019/01/25
  • 2019年の日本経済はどうなる・財政は輪をかけた緊縮 - 経済を良くするって、どうすれば

    歳出がいくら膨らんでも、それ以上に税収が伸びているなら、緊縮予算である。財政当局は。歳出の増大ぶりをアピールするので、放漫財政になっている印象を受けるが、きっちり収支差は縮めている。経済的には、そちらが遥かに重要な情報だ。年初めは、景気がどうなるかの予想で賑わうが、そう簡単ではない。しかし、財政なら読める。しかも、結構な影響力があるから、この地道な作業を怠ってはいけない。2018年は、輸出が停滞する中での緊縮となったため、消費低迷に苦しむことになった。そして、2019年も、同等以上の緊縮が貫かれる予定である。さすれば、2019年の景気は、輪をかけた悪戦になると見るべきではないか。輸出が崩れずに済んだとしてもね。 ……… 緊縮が成功するか否かは、ひとえに輸出にかかっている。緊縮でも大丈夫だったという事例は、よく見ると外需が伴っていたものばかりである。2014年の消費増税は、かなり過激で、冷や

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    asakura-t 2019/01/25
  • 不思議なワニの口 - 経済を良くするって、どうすれば

    日経のグラフィックデザイナーは、事実を取り繕うのに随分と苦労させられたのではないか。12/31の「核心・平成財政の失敗史に思う」という記事のことだ。歳出と税収の差を指す「ワニの口」が、この10年、実際には閉じつつあるのに、論旨に従い、あたかも開いているように見せなければならなかったからである。デザイナーは、平行状態にある歳出の上アゴが上がっているような形に整え、増加している税収の下アゴを平行に見えるような絵にして、事実を認識に合わせる作業をしている。 人は、認識の枠組に従って、数字を受け取るものなので、強い先入観があると、事実が見えなくなってしまう。「財政赤字は膨大なのに、だらしない政治家は消費増税の先送りを繰り返している」という認識が強いと、この10年は財政収支が改善して来ているという、認識に合わない事実は、なかなか知覚できない。読者の皆さんも、筆者から指摘されて初めて、「当だ。よく見

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    asakura-t 2019/01/25
  • アベノミクス・株価は崩壊、その次に - 経済を良くするって、どうすれば

    今年の日経平均は、事実上、2万円を割って終わった。10月には24,000円に達したが、米国が着々と金利を引き上げているのだから、ダウとともに崩れるのは目に見えていた。あとは、実体経済の収益が株価を支えることになる。来年は、その実体経済を危うくするマネを敢行する予定だが、既にして、実体経済には衰えが表れてきている。年明けの輸出の動向次第では、消費を捨てる選択肢は、取り得ないものになるだろう。 ……… 11月商業動態の小売業は、前月比-1.1と大きく下げた。前月の急伸の反動があるとしても弱い。自動車、衣服といった景気上昇局面に伸びる項目が順調だった反面、価格が下がっている燃料や飲などが打ち消した形である。ここから消費指数を占うと、10,11月平均の前期比は0~0.1にとどまるのではないか。10-12月期は、前期のマイナス成長からの戻りで、高い伸びが期待されていたが、厳しい状況だ。12月は、東

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    asakura-t 2019/01/25