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ブックマーク / natrom.hatenablog.com (11)

  • ワクチンを接種しない人を批判してはいけない - NATROMのブログ

    新型コロナウイルスワクチンが、日でも今年の2月から順次接種される予定だ。発症予防と重症化予防の効果は確かで、短期的な安全性も海外で数万人単位の臨床試験および千万人単位での実地での接種が済んでおりほぼ確認されている。重篤な副作用はあるが頻度は十分に小さく、害より利益が上回るのは明確だと私は判断し、順番が来た時点ですみやかに接種を受けるつもりである。 しかしながら、他者への感染予防効果については、効果は示唆されるものの、現時点では確実とは言えない*1。また、当然のことであるが1年以上を単位とした長期的な副作用の有無はまだわからない。ワクチンを接種するのをためらい、保留する人がいるのは当然のことだ。あるいは、どんなにまれであっても重篤な副作用が起きる可能性があるワクチンを接種したくない人もいるであろう。 どのような医療を受けるかを決める権利は人にある*2。もちろん、ワクチンについてもそうだ。

    ワクチンを接種しない人を批判してはいけない - NATROMのブログ
    asherah
    asherah 2021/01/31
    “ワクチンについての不正確な情報発信や不安を煽る報道を批判してならないとは言っていないことに注意していただきたい。”
  • 布マスクはないよりマシなのか? - NATROMのブログ

    ■「子供のマスクは手作りを」 学校再開に向け文科省が呼びかけ - 毎日新聞という記事が出ていた。文部科学省が手作りマスクの普及を呼びかけたという。ただ、布マスクが新型コロナ感染症の予防に役立つかどうかは、微妙なところである。現時点では明確な結論は出せない。このエントリーでは、布マスクの感染予防効果を論じた研究、および現時点におけるWHOとCDCの見解を紹介し、その上で、私の個人的な見解を述べる。 布マスクの感染予防の研究、WHOとCDCの勧告 医療機関で働く医療従事者は、自らが感染することを予防するためにマスクを使用する。通常は、使い捨ての医療用マスクを使用するが、布製のマスクで代用可能かを検証したクラスターランダム化比較試験が行われた*1。論文によると布マスクについて行われた最初のランダム化比較試験で、私が調べた範囲内では布マスクの臨床における感染予防を評価した唯一のランダム化比較試験で

    布マスクはないよりマシなのか? - NATROMのブログ
  • 何も悪いことをしていなくても人々は病気になる - NATROMのブログ

    がんを治すことが証明された事療法は、現時点では存在しない。がんになりにくい事ならある程度はわかっていて、がんの患者さんについても、基的にはそうした健康的な事が推奨されている。詳しくは ■がん体験者の栄養と運動のガイドライン:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] を参照して欲しい。なにも特別なことはない。「健康的な体重へ減量し、その体重を維持しましょう」「野菜、果物、全粒穀物を多く含む事パターンにしましょう」といったものだ。べてはいけないものはない。当たり前だが、健康的な事をしていてもがんになるときはなる。ましてや、がんを治す効果はない。 何度も書いてきたが、がんに対する厳格な事療法は、効果が不明確なわりに副作用が大きい。単純に栄養の偏り(野菜ジュースを大量に飲むためほかの事が摂取できない、など)が体力を落とす以外にも、自分の好きなものをべられない、とい

    何も悪いことをしていなくても人々は病気になる - NATROMのブログ
  • コメント欄 - 他人にアレルギー症状を起こさせる疾患「PATM(パトム)」は実在するか? - NATROMの日記

    PATM(パトム)についての医学論文はほとんど存在しない 「PATM(パトム, People Allergic To Me)」と呼ばれる病気がある。人には必ずしも症状はないが周囲の人に咳、くしゃみ、鼻水といったアレルギー症状を起こさせるとされる。典型的には、自分が電車に乗ったり教室に入ったとたんに周囲の人が咳き込んだり、マスクをつけたり、鼻をすすったりする。 私がPATMを知ったきっかけは、PATMを取り上げたテレビ番組について意見を求められたことだった。Google検索ではPATMの診療を行っている日の医療機関が見つかった。もちろん保険診療ではなく自費診療だ。PATM以外に「遅延型フードアレルギー」「副腎疲労」「リーキーガット症候群」といった医学的に確立されていない疾患概念に対し、やはり医学的に有用性が明確でない検査を行い、サプリメント等の有用性が証明されていない治療を行っている。

    コメント欄 - 他人にアレルギー症状を起こさせる疾患「PATM(パトム)」は実在するか? - NATROMの日記
  • クリニックで行われた臍帯血投与に意味がない理由 - NATROMのブログ

    無届けで臍帯血(さいたいけつ)の投与を行ったとして、医師を含む6人が逮捕されるというニュースがあった。 ■さい帯血無届け投与、販売業者や医師ら6人逮捕 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) がんの治療や美容目的で臍帯血の投与が行われていたという。該当するクリニックで行われていた臍帯血の投与は、医学的には意味がない。意味がないというか、意味がわからない。よくある細胞免疫療法は、少なくとも理論上は効くかもしれないと思えるようなものであるが、臍帯血については逮捕された医師がいったい何を期待していたのか見当がつかない。ぜんぜんわからずに雰囲気で臍帯血投与をやっていたとしか思えない。 臍帯血移植は標準医療である。大きなくくりでは、骨髄移植や末梢血幹細胞移植と同じく、造血幹細胞移植の一種である。たとえば、血液系の悪性腫瘍(がん)に対して臍帯血移植が行われている。しかし、そのメカニズム

    クリニックで行われた臍帯血投与に意味がない理由 - NATROMのブログ
  • 窓際記者の独り言さんへ - NATROMのブログ

    HPVワクチン接種に反対、ないしは消極的な立場の人の中に、子宮頸がん検診の効果について過大評価している人が散見されます。典型的には、「子宮頸がんは定期的な併用検診で100%予防できる」と主張しているはたともこ氏です。思うに、HPVワクチンに反対することで生じる将来の子宮頸がんの発症や死亡に向き合えないのでしょう。 実際のところ、子宮頸がん検診は不完全です。検診で浸潤子宮頸がんの発症や死亡を一定の割合で減らすことができるけれども、「100%近く」防ぐのは無理です。だからこそ、HPVワクチンが開発されてきたという経緯があるのです。より感度の高いHPV-DNA検査を併用しても不可能です。さて、ここでは窓際記者の独り言さんという方のツイートを取り上げます。窓際記者の独り言さんは、「現在ある検診技術を総動員すれば」、100%近く子宮頸がん死を防ぐことが可能だと主張します*1。 @NATROM 私が言

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  • 「熊本済生会病院からSOS」は事実だったのか? - NATROMのブログ

    「医療ジャーナリスト」の伊藤隼也氏が、2016年4月16日付のツイートにて、「熊済生会病院」にて物品や水などの不足があるとの情報の拡散を促す主張を行った。 拡散!熊済生会病院からSOS !以下の物品大至急欲しい!料(米、非常)ガス調理器(発生器)手術用消耗品(ガーゼ、糸)滅菌済み手術機器(オートクレーブ使用不可のため) また、透析患者多数も余震で水タンク破損の可能性ありで今後の水が不安。東日大震災同様で国の情報収集問題あり!— 伊藤隼也 (@itoshunya) 2016年4月16日 熊済生会病院では現在、人工透析稼働中ですが、物品や水などの不足SOSが小生に直接入っています。政府は現地の情報収集をもっと迅速に行いロジスティックの支援を行って欲しい。東日大震災と全く同じ現象が起きている。 https://t.co/k6qpfMinnL— 伊藤隼也 (@itoshunya) 2

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  • 1994年報告書は多種化学物質過敏症の概念を支持していない - NATROMのブログ

    化学物質過敏症を巡る議論において、sivad氏によって、私(NATROM)が「英語レベルでの誤読」をしているとの指摘があった。しかしながら、誤読をしているのは私ではなくsivad氏のほうである。この話には複数のテキストが出てくるので、まず確認しておこう。 1994年報告書 正確には"Indoor Air Pollution: An Introduction for Health Professionals"で、EPA(Environmental Protection Agency:米国環境保護庁)やAMA(The American Medical Association:米国医師会)などの複数の公的組織・学術団体による報告書である。室内環境の空気汚染についてが主な内容で、MCS(Multiple chemical sensitivity:多発性化学物質過敏症)や臨床環境医学への言及は一部で

    1994年報告書は多種化学物質過敏症の概念を支持していない - NATROMのブログ
  • なとろむ団/NATROM団とは何か? - NATROMのブログ

    このエントリーは真面目な内容です。ジョークを真顔で解説しているような恥ずかしさがあるので、過去のエントリーの一つとしてこっそり書いています。なとろむ団について誤解している人にそっとメールなどで教えることができるように、あるいは、「なとろむ団とはいったい何?」と検索してくる人のために、このエントリーを書きました。 「NATROM」あるいは「なとろむ」というのは、私のハンドルネームです。他の多くのハンドルネームと同じく、あまり意味はありません。他の人と識別しやすく、名を推測されないようなハンドルネームにしました。私は、10年以上前から、このハンドルネームを使っています。他の人とハンドルネームを共有したことはありません(2ちゃんねるなどの認証が不要な掲示板で、なりすましをされたことならあります)。 このブログの他のエントリーを読んでいただければわかるように、私はインチキ医療に対して批判を続けて

    なとろむ団/NATROM団とは何か? - NATROMのブログ
  • まさか今時ニュートンを否定している人なんていないですよね? - NATROMのブログ

    間違い方は多様である。説明のためにごく単純な例を挙げよう。算数の問題で、「1+1=」と問われたら、正しい答えは「2」しかない。一方で間違った答えは無数にある。「1+1=1」「1+1=3」「1+1=4」「1+1=5」。すべて間違った答えである。また、一般的に、間違い方はそれぞれ矛盾する。「1+1=1」という答えと、「1+1=3」という答えのどちらも正しいということはありえない。 算数から離れると、たとえば二進法では「1+1=10」という答えもありうる。自然科学や医学の問題では、必ずしも算数のように唯一の正解があるとは限らない。しかしながら、間違い方は多様であるという原則は変わらない。定説を否定するトンデモ説はきわめて多様である。教科書にも載っている定説を否定する人たちは、しばしば相互矛盾する複数のトンデモ説を信じることがあり、興味深い。定説を否定することが重要であり、トンデモ説自体の正しさに

    まさか今時ニュートンを否定している人なんていないですよね? - NATROMのブログ
  • メタモル出版から本を出したわけ - NATROMのブログ

    ■「ニセ医学」に騙されないためにを出すにあたって、なぜメタモル出版からなのか、疑問に思われた方もいたようである。もっともな疑問である。 怪しい出版社から執筆依頼メールが来た これまでも「を書きませんか」というオファーは何度かあった。名前ぐらいは知っている、とある出版社からブログについて「書籍化の可能性はないものか」というメールをいただいたこともある。しかし、「実際にお会いしてお打ち合わせ」できないか、という段階で問題が生じた。出版社は東京にある。実績のある著者のならともかく、一ブロガーのの企画段階で九州までの出張費は出ない。というわけで、残念ながらこの話はご縁がなかったことになった。他にもちょこちょこ出版の話はあったが、たいていは自費出版を勧めるスパムまがいのものであった。 そんなとき、「執筆のお願い」というメールをいただいた。メールの差出人は「メタモル出版」とある。あまり聞かない名

    メタモル出版から本を出したわけ - NATROMのブログ
    asherah
    asherah 2014/06/10
    “怪しい本を出している出版社の中にも良い本を出そうとしている人たちもいるのだと思われた”
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