記事:白水社 漢字も諺も、おやじギャグも使いこなす! モハメド・オマル・アブディン著『日本語とにらめっこ 見えないぼくの学習奮闘記』(白水社刊)は、来日してから日本語をマスターして文筆家として活躍するまでの悪戦苦闘を語る。 書籍情報はこちら 『日本語とにらめっこ』目次 日本に来て、本が読めるようになった アブディンさんは目が見えない。生まれたときから弱視だったが、12歳のころには文字が完全に読めなくなった。母国スーダンでは一般の学校に通い、友だちに教科書を読み上げてもらって勉強していたという。努力の甲斐あって名門ハルツーム大学に合格したが、政治情勢の悪化により、大学は閉鎖されてしまった。そんなときたまたま耳にした日本留学の話に飛びつき、彼は19歳で日本にやってくる。 2か月ほど東京で勉強したあと、福井の盲学校に入学。いきなり日本人ばかりの環境で、鍼灸を学ぶことになった。勉強はすべて点字で、