大手電機メーカーが一斉にリストラ策を打ち出した。大手流通業や建設業も大型の倒産が待ち構えている。日本の1400兆円もの個人金融資産の過半は預貯金という形で銀行に流れ込み、それはさらに収益性の悪い企業に流れ込んでいた。この間接金融中心の流れが、今音を立てて直接金融にシフトしようとしている。 「コーポレートファイナンス」という概念は、今までの日本人にはあまりなじみのないものだった。しかし、株式市場が企業を見張る度合いが高まると、(賭けてもいいが)あなたもファイナンスの渦の中に巻き込まれるはずだ。しかし、「おれはテクノロジーは好きだがファイナンスは不得意」と思っている方も多いかと思う。しかし、そういう人のほうがファイナンスに向いている可能性もある。事実、私の知るIT関連企業の財務担当者は、技術系出身の人や技術マインドの高い文系の人が多い。なぜか。 ●ファイナンスの知識が必須の時代 ひとつには、当