《2》 副島隆彦氏はエキセントリックで打算的な人だ。自分の言い分の根拠を示さず、こうなんだから言うことを聞け、分からんヤツは「愚か者」と決めつけるのは言論人にあるまじき態度だ。こういうスタイルが、迷える若者にはカリスマ的に見えて受ける、という計算なのだろうが…。 彼は『時代を見通す力』で「南京虐殺」はあった、と断言した。これまでは、はっきり書くことをせず、グローバルな見方ができないヤツはバカだくらいしか言っていなかった。それがついに「南京虐殺はあった」と断言したわけだが、またしてもその根拠は書かない。 「いまだに『南京大虐殺はなかった』論を言い立てている日本の言論人たちがいる。愚かな人々である。日本軍があのとき南京市内で殺した中国人は、最低でも2万人から4万人はいた。私はずっと秦郁彦氏の説を支持し続けている。『虐殺はあった』のである。」 と言い切った。しかしこれだけ。「大虐殺はあっ