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  • 基本読書

    2024-08-19 プラットフォームが巨大な力を持って人間を支配するとき、どう対抗すべきなのか──『デジタルの皇帝たち――プラットフォームが国家を超えるとき』 科学ノンフィクション 献御礼 オススメ! デジタルの皇帝たち――プラットフォームが国家を超えるときみすず書房Amazonプラットフォームが大きな力をふるう時代である。アマゾンで日々の必需品を買い、ウーバーで事を配達してもらう。海外では配車アプリの方で生計をたてている人も多い。Appleのアプ… 2024-08-11 卓越した先見性こそが人間を地球の覇者たらしめた──『「未来」を発明したサル: 記憶と予測の人類史』 献御礼 科学ノンフィクション 「未来」を発明したサル 記憶と予測の人類史作者:トーマス スーデンドルフ,ジョナサン レッドショウ,アダム ブリー早川書房Amazonわれわれは当たり前のように未来を予測して現在の行動

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  • アンチ優生学の立場で、遺伝がもたらす人生への影響を「平等」の観点から考え直す──『遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―』 - 基本読書

    遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる― 作者:キャスリン・ペイジ・ハーデン新潮社Amazon近年、遺伝子研究が進展してきたことで身長や顔といった見た目の要素だけでなく、「学歴」のような生涯収入やそれに伴う生活の質に直結する部分も遺伝子の影響を受けることがわかってきた。しかしそうしたデータは気軽に世に出すと、何度否定されても議論が絶えることのない優生学や、何をもってして社会は「平等」や「公平」といえる状態になるかといった、簡単には答えのでない議論を呼び込むことになる。 しかし、実際に遺伝子によって学習能力や最終学歴に差が出るのであれば、議論が難しいからとか、遺伝による差が明らかになると優生学に結びつく可能性があるからと危惧し「遺伝的な差異をなかった/見なかった」ことにするのは間違っているのではないか。それ──遺伝的な差異による富の格差──がある前提で、平等についての議論を進める必要があるの

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  • 思念言語を使う異星人と人間の通訳官が、殺人事件に巻き込まれるSFミステリ長篇──『人類の知らない言葉』 - 基本読書

    人類の知らない言葉 (創元SF文庫) 作者:エディ・ロブソン東京創元社Amazonこの『人類の知らない言葉』はイギリスの作家にして〈ドクター・フー〉などの脚も手掛けるエディ・ロブソンによる、2022年に刊行されたSFミステリ長篇だ。近未来、テレパシー(思念言語)を用いて会話するロジ人が地球にやってきた世界を舞台とし、ロジ人と人間の通訳を務める女性のリディアを主人公に物語は進行していく。 緒賀岳志さんの装画もよく、装丁が全体的にかっこよかったので(あと、全米図書館協会RUSA賞のSF部門受賞作でもある)そこそこ期待して読み始めたが、これはおもしろかった! なにか具体的に突き抜けた点があるわけではないのだけど、異星人通訳という特殊な仕事の困難さをはじめとしたひとつひとつの描写や演出が丁寧で、作家の素晴らしい技術をみせてもらえたな、と安心して読めるエンタメ作品だ。 世界観、あらすじなど 最初に

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  • サダム・フセインやポル・ポトのような独裁者は何を食べてきたのか──『独裁者の料理人 厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓』 - 基本読書

    独裁者の料理人:厨房から覗いた政権の舞台裏と卓 作者:ヴィトルト・シャブウォフスキ白水社Amazonこの『独裁者の料理人』は、その書名通りの一冊である。カンボジアのポル・ポト。イラクのサダム・フセイン。ウガンダの大統領イディ・アミン。アルバニアの首相エンヴェル・ホッジャ。キューバのフィデル・カストロ──。そうした独裁者と呼ばれることもある彼らにかつて仕えた料理人らにインタビューを行い、彼らが何をべ、何を好み、どのようなコミュニケーションをとってきたのかをまとめている。 最初はそんなに期待しないで読み始めたのだけど、これが大変におもしろい! 独裁者は常に暗殺に怯えるものだが、この世でもっとも使い古されてきた暗殺手段の一つは「毒殺」だ。もちろんそんなことは独裁者側だってわかっているから、毒味役もいるし成分検査が行われることだってある。とはいえ、だから料理人が誰であってもいいという話にはなら

    サダム・フセインやポル・ポトのような独裁者は何を食べてきたのか──『独裁者の料理人 厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓』 - 基本読書
  • 移民から気候変動までギリシャの問題が色濃く反映された、傑作ぞろいのSFアンソロジー──『ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス』 - 基本読書

    ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス (竹書房文庫 ば 3-1) 作者:ヴァッソ・クリストウ竹書房Amazonこの『ギリシャSF傑作選』はその名のとおり、ギリシャのSF短篇が集められたアンソロジーである。版元は竹書房。流れ的にはイスラエルSF傑作選『シオンズ・フィクション』が2020年に同じく竹書房から刊行されたが、これが邦訳の刊行前から海外で評判を集めたらしく、すぐに非英語SFアンソロジーの売り込みがはじまった。 そして、訳者のひとり(にして代表的存在の)中村融さんがその英訳版を色々と読んでいき、頭ひとつ抜けていたのがこのギリシャSF傑作選だったのだという。実際、読んでみればこれが大変おもしろい。収録作は全11篇、ページ数は270程度だから長いではないのだが、どの作品も移民や気候変動などギリシャの「いま・ここ」の問題が取り扱われ、アテネなどギリシャの都市が重要なキイになる作品もいくつか

    移民から気候変動までギリシャの問題が色濃く反映された、傑作ぞろいのSFアンソロジー──『ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス』 - 基本読書
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