【ハノイ=佐々木学】ベトナム中部クアンガイ省で7日、密林で約40年間暮らしてきた男性のホー・バン・タインさん(82)と息子のランさん(42)が保護された。ベトナム戦争中から今日までの間、ほぼ誰とも会わなかったとみられる。 地元メディアによると、タインさんは約40年前の戦争中、住んでいた集落が爆撃を受け、妻と2人の子を亡くした。そのショックから、当時2歳だったランさんを連れて密林の奥に逃げ込んだとみられている。 地元行政当局が2人を発見した際、2人は樹皮でつくった腰巻きだけを身につけ、木の上の小屋で暮らしていた。現地の少数民族の言葉を少し話すことができ、果物や芋、トウモロコシを栽培して暮らしていたという。行政当局は2人の健康状態を診断したうえで、社会復帰策を検討する。