全ゲノム解析で、アルコール代謝など日本人の適応進化に関わる4つの遺伝子領域を同定 大学ジャーナルオンライン編集部 理化学研究所、大阪大学、慶應義塾大学の共同研究グループは、日本人集団2,200人の全ゲノムシークエンス解析を行い、日本人集団の適応進化に関わる遺伝子領域を同定した。 さらに、日本人集団にみられる、病気の発症や臨床検査値に影響を与える遺伝的変異について適応進化の強さを調べたところ、飲酒量などアルコール代謝と、脂質や血糖値、尿酸値など栄養代謝に関わる形質に影響を与えている遺伝的変異が適応進化の主な対象となっていた。これは、他の人類集団とは異なる結果であり、日本人集団に特有の適応進化が存在したことを示唆する。 今回の成果は今後、日本人の歴史の解明や遺伝的背景を考慮した健康の増進に寄与し、大規模な全ゲノムシークエンスデータの構築により適応進化の解明が進むことが期待できる。 論文情報:【