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ブックマーク / tomio.hatenablog.com (3)

  • 森見登美彦氏、アニメ「有頂天家族」放映をうろうろして待つ。 - この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ

    今日は七夕である。 おりひめとひこぼしが何かしているのである。 今宵、アニメ「有頂天家族」の放映が始まる。 今はまだ午後九時十五分である。 奈良にいる登美彦氏は、孫の運動会を見学に来た祖父のように、ソワソワと落ち着きがない。 テレビはKBS京都にチャンネルを合わせている。 少し離れた滋賀県の某温泉宿では、登美彦氏の両親が放映開始にそなえて仮眠をとっている(と先ほど連絡が入った)。 もちろん登美彦氏は、すでに第一話を何度も観ている。 しかし当にテレビで流れているところを、曇りなきマナコで確認するまでは油断できない。ひょっとすると登美彦氏以外の関係者一同が「あたかもテレビで流れる風」を装っていただけかもしれないではないか。なんらかの陰謀をめぐらし、登美彦氏に「テレビで放送する」と思いこませていただけかもしれない。そんなことをしていったい何の得になるというのか。じつに油断できない人たちである。

    森見登美彦氏、アニメ「有頂天家族」放映をうろうろして待つ。 - この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ
  • 2013-01-07

    そろそろ世を飛び交う「明けましておめでとう」も落ち着いてきた頃であろう。 森見登美彦氏は奈良でひっそりと年末年始を迎えた。 さて、お正月のこと。 ひょっこりと2013年氏が訪ねてきた。 2013年氏は達磨のように着ぶくれていた。 そして巨大で真っ赤なマフラーを巻いていた。 その日は冷え込みが厳しかったからである。 彼は森見家の玄関先に立って、マフラーをいじってモジモジした。 「森見登美彦さんのお宅はこちらですか?」 「ええそうですよ。遠いところをわざわざどうも」 「いやいや、それほど遠いわけでもないんですけれども。とにかくいろいろと挨拶にまわらなければならないので」 「たいへんですなあ。どうぞ上がってお茶でも」 「いやいや、そんなお茶だなんて」 「お菓子もありますよ」 「なんとお菓子ですか。しかしそんなわけには、いやしかし、それはなかなか」 2013年氏は人見知りであるようだった。 201

    2013-01-07
    at_yasu
    at_yasu 2013/01/08
    去年は全く音沙汰なしだったから熊と一緒に冬眠してるとばかり思ってました by 明石さん
  • 登美彦氏、かぐや姫を迎える。 - この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ

    竹林はざわざわと揺れ続けている。 締切次郎は、登美彦氏のズボンの裾を引っ張っている。 「お願いします!『太郎』は、マジでやばい」 「ええい、かまわぬ。知ったことか!」 「太郎が来たら、それこそ何もかも、容赦なく締め切られてしまうのですよ。僕なんざあ、かなわねえ」 「じょうとうだ。太郎を呼び出して、おまえを蹴散らしてやる」 「分かんない人ですね!」 竹を切る腕におぼえあり。 登美彦氏はギコギコやりだした。 竹から発する橙色の光の中で、細かい切り屑がふわふわと舞った。 半ばまで切ったところで、どこからか「人生の柱時計」が時を告げる音が聞こえた。 ぼーんぼーんぼーんぼーん… えんえんと響いて鳴りやまず、ついに三十回を数えた。 「おや!」 登美彦氏は手を止めた。 「どうやら俺は三十路に入ったらしいぞ」 「これであなたも青春を失った」 「なんのこれしき、まだまだ!」 登美彦氏はさらにノコギリを動かす

    登美彦氏、かぐや姫を迎える。 - この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ
    at_yasu
    at_yasu 2009/01/07
    先生、締切次郎をほっぽってデートしてたのですね。なんて人だ・・・
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