『人は死なない』(バジリコ)というベストセラーをご存じだろうか。東京大医学部付属病院救急部・集中治療部部長という要職にある現役の臨床医が「生命の不思議」から「宇宙の神秘」「非日常的現象」について言及した衝撃の書だ。 著者が次なるテーマとして選んだのが「天皇」。2600年にもわたり「天皇陛下の国」であった日本は戦後、GHQ(連合国軍総司令部)によって「精神的武装解除」を施され、国体を一変させられる。 現行憲法や戦後教育への違和感に始まり、その思索は世界に影響を及ぼす国際銀行家の存在や、帝国主義下における歴史認識といった広範なテーマにまで及ぶ。 そういった知見を貫いているのは常に「日本人にとって天皇とは何か?」という問いかけである。著者がまず思い起こしてほしいと指摘するのは平成23年3月16日、復興の詔勅とも言うべき「平成の玉音放送」と、その後の被災地への御行幸啓だ。天皇陛下のお言葉が諸外国へ