昨年十二月、トヨタについての二つのニュースが世界をかけめぐりました。 一つは、トヨタの二〇〇七年の生産実績見通しが九百五十一万台(ダイハツと日野を含む)となり、GM(ゼネラル・モーターズ)の九百二十六万台を抜いて、初めて世界一になったというニュースです。GMは、一九三一年以来、七十七年間も維持した首位の座を明け渡すことになりました。 もう一つは、トヨタ自動車で働いていた内野健一さんが過労死した事件の裁判で、原告の妻、博子さんが名古屋地裁で全面勝訴したというニュースです。ロイターやAP通信、CNNテレビ、経済専門誌など海外マスコミは、内野さんが月百時間以上の「サービス残業」を強いられていたというトヨタの労働慣行の異常ぶりを詳しく報道しました。 トヨタ式“ものづくり”と超高利潤率 第一のニュースに関していえば、トヨタはどのようにして生産台数世界一になったのか。 トヨタは“ものづくり”の方法を極