全国民必読 「この国はどこでどう間違えたのか」急速に衰える国力を憂う 丹羽宇一郎(伊藤忠商事相談役)×田中秀征 (元経企庁長官)×田原総一郎(ジャーナリスト) 多額の負債を抱え経営危機まで囁かれた伊藤忠をV字回復させた丹羽氏。細川内閣で首相補佐を務め選挙制度改革を成し遂げた田中氏。二人なら、いまの日本の転落をどう止めるのか。田原氏が迫った。 ヤワな日本、したたかな中国 田原 先日、万博開催直前の上海に行ってきましたが、大変な活気を呈していました。 伊藤忠は世界の商社のなかでも早くから中国と付き合ってきましたね。丹羽さん、現在の中国の勢いをどうご覧になっていますか。 丹羽 我々が中国とのビジネスを始めて38年になります。その中国はいま、生産国から巨大な消費市場に変わろうとしています。 ちょうど1970年代前半の日本と同じです。 田中 大阪万博の開催が'70年。重なり合うものがありますね。 丹