復元工事が大詰めを迎え、姿を現した大極殿=2日午前、奈良市、朝日新聞社ヘリから、筋野健太撮影 奈良県で来年開かれる平城遷都1300年祭のメーン会場となる平城宮跡(奈良市、特別史跡)で、大極殿(だいごくでん)の復元工事が大詰めを迎えている。覆っていた「素屋根」が徐々に解体され、金色の鴟尾(しび)を屋根に載せた白壁と朱塗り柱の本体が、西側半分で姿を現した。9月中には全体が見られるようになる。 大極殿は、天皇の執務や儀式の場だった建物。01年に復元工事に着手。木造で、規模は東西44メートル、南北19.5メートル、高さ27メートルに及ぶ。本体は既に完成し、素屋根の解体が7月から始まった。10月には周囲にさく(高さ1.5メートル)を巡らせる。総事業費は約180億円。 大極殿は来年4月に公開予定。内部では、天皇が座っていた高御座(たかみくら)の原寸大の復元品などが展示される。(編集委員・小滝ちひ