→紀伊國屋書店で購入 「多国籍企業「イングリッシュ・カンパニー」社史」 筆者はふだん、英語文学、英語学・言語学、英語教育といった分野の本を編集する仕事をしている。たまには本業に近い本も選んでみよう。 取り上げるのは、英語業界では「英語史」と言われる分野の本である。邦題は原題“The Adventure of English”をそのまま訳している。「英語」はこの本では、「冒険者」という「人間」に擬せられているわけだ。副題にもThe Biography of a Language、つまり、ある言葉の「伝記」とある。 それでは、この英語という人物はどんな人生を送ってきた人なのか。この本は「伝記」ということだから、著者の意図をさらに拡大して、英語を以下、「英(はなぶさ)クン」と呼び、筆者なりに本書の概要を説明しよう。 生まれは北海に面する、いまのデンマークあたり。ここにはゲルマン民族の一部族である