ステファノベーメルのビスポーク、オールソールの続きです。前回出し縫いについてお話しさせて頂きましたが、今回は「ベベルドウェスト」についてです。 ベベルドウェストとは、靴のウェスト(底面から見た土踏まず部)を極限まで細く絞り上げることにより色気を醸し出しエレガンスさを演出する意匠の一つです。 どちらが先か、近代ヨーロッパにおける女性がコルセット着用により バストとヒップの豊かさを強調するため対比的にウェストを細く見せた事と似ていますね。 最近、既成靴においてウェストを単に細くしてベベルド風に見せている靴を良く目にしますが、本来のベベルドウェストとはウェルト(靴底の一層目)を本底(靴底の二層目)により巻き込んで隠しているものを指します。 よって、ウェストが絞られている事は勿論ですが、靴を真横から見た時ウェスト部のみが一層だと見間違う程に薄く見えるのです。 この技法は土踏まずの出し縫いを奥いった