2015年または2016年に日本の上場企業に適用されるといわれている国際会計基準(IFRS)。「会計基準が変わるのはまだまだ先」と思われる方が多いかもしれないが、日本会計基準はIFRSに向けた準備を着々と進めている。それは、IFRSとの差異を解消するために行なわれている「コンバージェンス」という動きだ。 コンバージェンスとは、IFRSが適用されたとき、従来と重要な差異が生じないように自国の会計基準を修正していくこと。日本では、会計基準の開発を行なう組織である企業会計審議会(ASBJ)が、現在進行形で日本基準とIFRSとの重要な差異の解消に向けてコンバージェンスを行なっている。 数多くコンバージェンス項目がある中でも、早い段階から差異解消に向けて基準の修正が行なわれてきたものの1つが、「棚卸資産」である。今回は、日本基準とIFRSの棚卸資産に関する考え方はどう違っていたのか、そして棚卸資産に