ダイソンの新製品発表には1つの特長がある。必ずといっていいほど「何人のエンジニアが何年をかけて開発した」という説明が付くのだ。国内の家電メーカーではほとんど語られない部分だが、ダイソンはさらに研究開発に投じた金額も公表する。ときには製作したプロトタイプの数、開発の過程で行った実験の回数までも明らかにする。 例えば4月9日に発表された「エアブレード」ハンドドライヤーシリーズは、「125人から成るダイソンのエンジニアチームが3年近くにわたり実施してきた集中的な研究開発と4000万ポンド(約68億円)の投資による成果」だ。プロトタイプの数は3300個以上、手洗い実験は2億1300万回以上も行われた。それを数えた人がいることにも驚かされるが、エンジニアたちの功績を評価し、そのための資金を重視する姿勢は新鮮だ。近年、コストダウンという“功績”ばかりが目立つ国内メーカーとは対照的に見えてしまう。 同様