2008年末で6億4100万契約もの巨大な携帯電話市場を持つ中国。ただし,総人口13億を抱える同国の携帯電話の人口普及率は,48.5%ほどでしかない。携帯電話の契約数は今なお毎月約800万件のペースで増えており,世界中の携帯電話関連企業にとって非常に魅力的な市場である。 一方で中国は国外企業が攻めにくい市場だ。国の政策でその市場環境が大きく変わるからである。通信事業者はすべて国営であるうえ,通信事業を国家発展の柱に据えているため,通信事業に対する政府の介入の幅が大きい。中国政府の動向に気を配り続けなければ,中国の携帯電話市場での成功はおぼつかない。 中国政府が携帯電話産業に介入する際には,「事業者のバランスに配慮した競争」と「自国技術の保護」を考慮して政策を実行する。この二つを頭の片隅に置けば,中国市場は見通しやすくなる。 携帯・固定・ネットで3社に集約 中国の競争政策の最たるものは,20