現職の防衛相が関与する組織的隠蔽(いんぺい)が疑われる事態に発展した南スーダン日報問題。その発端となる「日報」の情報公開を求めたジャーナリストの布施祐仁さん(40)=横浜市泉区=は「事の本質は、政治家が自衛隊を統制する『文民統制』を破綻させる深刻な問題。単に稲田朋美防衛相が辞めて済むような話ではない。国会で徹底的な調査・検証が必要だ」と指摘している。 陸上自衛隊内部の日報データの保管が明らかになった3月15日以降、稲田防衛相は国会で「報告されなかった」と答弁。同17日には「防衛省・自衛隊に隠蔽体質があったとすれば私の責任で改善したい」と語り、特別防衛監察の実施を指示した。 だがこの時点で稲田防衛相自身が陸自内部にデータが存在し、しかも防衛省幹部の意向に沿って非公表決定を了承していたことが判明。布施さんは「稲田氏は隠蔽を知りながら素知らぬふりをして、特別防衛監察を命じたことになる。時間稼