大阪人権博物館でガイドボランティア代表を務めた前田勝正さん=大阪市浪速区で2020年5月28日午後3時19分、韓光勲撮影 大阪人権博物館(リバティおおさか)=大阪市浪速区浪速西3=が6月1日に休館した。記者(27)は大阪市出身で、博物館にほど近い場所で生まれ育った。幼少期から何度も訪れ、自身のルーツに触れた場所でもあった。5月28日、数年ぶりに訪れた。 「部落問題コーナー」で一つの展示に目が留まった。江戸時代の長野県にあった墓石だ。刻まれた戒名の中に「革」の1字がある。埋葬者が皮革業を担ってきた被差別部落出身だったことを表す。この「差別戒名」の存在を知り「死後まで差別されるのか」と言葉を失った。 展示の幅は広い。他にも労働問題、LGBTなど性的少数者、ハンセン病、薬害エイズ、在日コリアン、アイヌ民族。それぞれの歴史的な経緯を解説する資料が並ぶ。1時間以上をかけて、じっくりと見て回った。