先日、ある製造業の工場を見学する機会があった。この分野では世界一だという誇りを持ったモノ作りの現場や、そこで行われている地道な改善活動を見て、とても嬉しく思った。我々の世代は、次の世代に伝えなければならないことがまだまだ多くある、と思い出させてくれた。 技術は必ず進歩する、つまり今の技術は必ず陳腐化する。仕方がないことである。しかし陳腐化しない普遍的なこともある。そのひとつは、若い世代にはなかなか理解しにくいかもしれないが、技術者魂とでも呼ぶべき、ポリシーやスタンスである。 今回のコラムは一年前の再掲載である。前回のコラムに、それらがよりリアルにわかるように追記してみた。 ◆ ◆ ◆ 2008年2月、3月と金融取引に関わるシステム障害が報道された。昨今の情報システムは複雑化・肥大化に拍車がかかり、社会的影響も大きくなった。 システム障害を聞く