【シンガポール=吉田通夫】環太平洋連携協定(TPP)交渉の日米協議で、米国が「なぜ、トヨタの販売店で米国車を売っていないのか」と、トヨタ自動車を名指しで批判し、日本のメーカー系列の販売店網の解体を求めていることが十八日、分かった。米国の安全基準を満たす米自動車メーカーが一社につき年間五万台ずつ、日本の基準の適用を外れて日本に輸出できる措置も要求。米国が日本の自動車市場をこじ開けようとする姿勢が明らかになった。 日本の新車販売はメーカー子会社の販売店網が主流で、トヨタ自動車ならトヨタ車、日産系列なら日産車だけを扱うことが多い。米国は一九九〇年代の自動車包括協議などでも「ケイレツは閉鎖的だ」と批判した。