(2014年6月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 今年は第1次世界大戦の勃発から100年、第2次世界大戦のノルマンディー上陸作戦開始の日(Dデー)から70年、そしてソビエト帝国の崩壊と、天安門広場周辺で行われた残忍な弾圧から25年という年にあたる。 100年前には、欧州の脆弱な秩序が崩れ落ちた。70年前には、民主主義勢力が全体主義の欧州に猛攻撃をかけた。25年前には、欧州で分断が解かれて人々が自由になる一方、中国で市場経済と一党独裁が選択された。その後の25年間はグローバル資本主義の時代となっている。だが、そのような時代の政治的・経済的圧力もますます明白になっている。 1913年当時、西欧は世界の経済と政治の中心だった。西欧の国内総生産(GDP)は、世界全体のそれの3分の1を占めていた(市場為替レート換算ベースで見るよりも貧しい国々の割合が大きくなる購買力平価ベースで見てもそうだっ