面倒見が良く、優しかった姉が夜中に突然大声を上げたのは、24歳の時だった。理解できない内容を約30分叫び続け、病院に搬送された。 しかし、1晩入院したきり、通院する様子はなかった。父は家族に「精神科医が全く問題ないと診断した」と説明した。 ともに医師の両親は25年もの間、統合失調症の疑いがある姉に治療を受けさせなかった。南京錠で玄関ドアを厳重に施錠し、姉を家に閉じ込めたことさえあった。 「失敗が繰り返されないように」。弟は20年以上にわたる家族の記録映像をドキュメンタリー映画にまとめた。タイトルは「どうすればよかったか?」だ。
