今年も憂鬱な就活の季節がやってきた。会社訪問は4ヶ月繰り下げられて8月からということになったが、そんな建て前を信じていたら乗り遅れてしまう。3月に会社説明会が始まったときから、実質的な就活は始まっているのだ。 それでもまだ前期の授業は何とかなるが、後期の授業には4年生はまったく出てこなくなる。10月に内定が出るので、そのあとどんな成績を取ろうが(卒業できる限り)人生に影響はないからだ。学生も大変だろうが、勉強する気のない学生に講義する教師は、壁に向かってボールを投げるようなものだ。 こういう奇妙な現象は昔から指摘され、就職協定も何度も結ばれたが守られない。根本的な問題は、企業が大学教育に何も期待していないからだ。これを放置して文部科学省は「スーパーグローバル大学」や大学院重点化など、夢のような構想を打ち出してきた。 ところが今年6月、全国の国立大学に対して文科省は「文学部や社会学部など人文