一部の共和党議員は、中央銀行が下す金融政策の決定を、議会の一機関である米会計検査院(GAO)が監査すべきだと主張している。一方、金融政策を自動的に決定する定型の仕組みを編み出し、FRBがこれに介入するたびに、その議長に議会で証言するよう求めるべきだとする声もある。 中にはもっと極端な批判もある。FRBがドル「切り下げ」を目論んでいるという陰謀説だ。こうした極論を唱える人々は中央銀行そのものの廃止すら提唱している。 これらの計画のどれが現実のものとなっても、悲惨な結果を招くだろう――中央銀行の独立性が損なわれるか、金融政策が成り行き任せになるか、行き着く先はこのどちらかだ。 地区連銀制がもたらす弊害 幸いなことに、大統領候補の最右翼である2人には「FRBを終わらせる」意向はない。ドナルド・トランプ氏はジャネット・イエレンFRB議長の任期が終われば、後任に共和党員を指名する考えを示した。この考