規則によって奪われた「思考する力」 私たちは何か起きたとき事態を収拾するために、たとえば「規則」をつくって、それをよくするためにさらなる規則を多くつくる。あるいは「報奨」を与えることで成果が上げることを目指し、さらに報奨を多く与えることで目標を高めていく……、こんな方法をとることがある。 ところが「規則も報奨も、何も変えてはくれない」と心理学者のバリー・シュワルツ氏は語っている。 「規則自体が私たちに命令するわけではないが」「規則は“考える力を奪う”」という。なぜなら、 規則はえてして強制となることがあるからだ。規則や報奨は一時的に状況を改善するかもしれないが、長期的には悪化していく悪循環を生み出すというのだ。 そういえばかつて規則通りの人に遭遇してしまった、こんな場面を思い出した。 その日は早目に駅に着いたので、予約より一本早い新幹線に乗ろうと窓口に寄った。すると、駅員さんが「切符を変更