紀元前500年頃を中心とする前後300年は「枢軸時代」と呼ばれ、ギリシア、インド、中国と東西を問わず哲学が生まれた時代です。哲学はその後、さまざまな学問の源流となりました。人間の思考全体の流れをつかむために、西洋哲学の成り立ちについて見ていきましょう。※本連載は、堀内勉氏の著書『読書大全』(日経BP)より一部を抜粋・再編集したものです。 紀元前5世紀頃、さまざまな学問の源流「哲学」が誕生 「哲学」という言葉は、教育家で啓蒙思想家の西周(にしあまね)によって、明治初めに英語の"philosophy"(フィロソフィー)の訳語として作られました。"philosophy"という言葉は、ギリシア語の“philosophia"(フィロソフィア)に由来し、“sophia”(ソフィア、知恵)と“philein”(フィレイン、愛する)が結びついたもので、「知恵を愛する」という意味です。 人間は全知全能の神と