広告企画 Nature 2011年12月1日号 この10年で、ヒトやマウスの大規模なゲノム解析が進み、タンパク質をコードしないnon-coding RNA (ncRNA)の存在が、あぶり出されることになった。当初、研究者の多くが「ゲノムのがらくた」としたncRNAだが、あまりの量の多さから「何らかの機能をもつ」と考えられるようになり、新たに研究されはじめた。その結果、核内の低分子RNAや20塩基程度のマイクロRNAには、発生、分化、代謝、ウイルス耐性、発がんなどのさまざまな機能が秘められていることがわかってきた。一方で、数百から数千塩基対に達する「長鎖ncRNA」については、やや出遅れていた感があった。ところが、ここへ来て興味深い成果が相次いでいる。ゲノムワイドな遺伝子発現制御に関与することがわかってきた長鎖ncRNAについて、最新の研究成果を紹介する。 サイエンスライター 西村尚子 夜明