家庭養護促進協会大阪事務所理事 岩﨑美枝子さんに聞く 多くの人にとって最も大切で、かつ面倒くさい人間関係のひとつが「親子」ではないだろうか。親子関係の本質とは何か。複雑に絡んだ関係の糸をどうほぐせばよいのか。実の親が育てられない子の育て親を新聞を通じて募集し、血縁のない人同士が「親子になる」ことを50年近く支援してきた岩﨑美枝子さんに聞いた。 ――実の親子でも悩みの種は尽きません。血縁のない人同士が親子になるには、並々ならぬ苦労があるのでは。 「確かに、実の親子なら小さなトラブルで済むようなことが、大ごとになる場合もある。だけど、意識的に親子になろうとする分、逆に親子関係の本質が見えてくる面もあります」 ――どういうことですか。 「だいたい1歳半以降の子どもたちが、施設から育て親の家庭に移った際に、共通して見られる行動パターンがあります。引き取って1週間ぐらいはみな聞き分けのよいお利口さん