大学入試に合格すると入学金の納付期限があり、例年、進学先以外に入学金を支払うケースが多く生じています。コロナ禍もあり負担できる家庭ばかりではなく、受験校数の格差も生じます。本格的な受験シーズンを前に、こうした現状について考えます。 ■家計厳しい世帯、狭まる選択肢 大学生ら、国に3.7万人の署名 納付期限延長求め 東日本の私立大に今春入学した女子学生(18)は、受験期を重い気持ちで過ごした。 父は公務員、母はパート従業員。国立大に通う3歳上の兄が一人暮らし。家計に余裕はなく、第1志望は地元の公立大だった。 今年2月、まず私立の女子大に合格した。入学金納付期限は公立大の合格発表前。自宅で受験勉強をしていると、ふだん仲のいい両親が支払いをめぐってもめているのが聞こえてきて、気持ちが沈んだ。結局、両親は24万円の入学金を払ってくれたが、公立大は不合格だった。 実は、第2志望はいま通う私立大だった。