世界の宗教がざっくりわかる [著]島田裕巳[評者]谷本束[掲載]週刊朝日2011年6月17日号著者:島田 裕巳 出版社:新潮社 価格:¥ 756 ■無宗教が世界を救う? 日本人はふだんあまり関心がないが、宗教というのはおおかたの国では想像以上に重い。政治も生活も大きく左右するし、もめごとのタネにもなる。特に9・11テロからこっち、世界中でその存在は大きくなっている。ってまあそうなのだが、宗教オンチのこととて、やっぱりよくわからない。本書は世界の主な宗教の成り立ち、それぞれの世界観や他の宗教との関係など、複雑にからむ宗教のツボを教える解説書である。 まずもって驚くのは、なじみのある宗教でも誤解だらけだってこと。一神教の代表選手みたいなキリスト教は、実は多神教の性格を多分にもっているし、私たちが当たり前と思っている出家制度は仏教とキリスト教ぐらいにしかない。多くはそもそも聖俗の区別などなくて
本書のタイトルに虚を衝(つ)かれたが、ページをめくり、冒頭の次の言葉には膝を打った。 「(今日では)だれもおじさん・おばさんになりたがらず、なることをおそれている」「おじさんはくさく、おばさんはださい。だから、いかにしたらおじさん・おばさんにならないかを女性誌、男性誌が特集し、本が書かれる」 一章では血縁のオジオバは学問上、どう扱われてきたかを調べる。母系社会では父親より母方のオジたちが重視され、オジは実子よりも姉妹の子どもを優先。この関係は父系が前提の我々には理解し難い。というよりも近代は、父から子へ財産を継承するのが、資本を蓄積する仕組みに都合いい。そこで父系社会を選び、結果、おじさん・おばさんの影は薄くなった、と著者は考える。またオジオバとオイメイの関係も各個人の性格、状況などで当然、異なる。 二章は、そこで歴史的人物がオジオバから、どんな影響を受け、逆にオイメイにどんな影響を与えた
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