医療法人「徳洲会」グループが職員に報酬を支払い、自民党・徳田毅衆院議員(42)=鹿児島2区=の選挙運動をさせたとされる公選法違反事件。国内最大級の医療施設数を誇る同グループですが、父親で元衆院議員の徳田虎雄理事長(75)の時代から選挙違反の摘発や資金流用などの疑惑が絶えませんでした。強制捜査に乗り出した東京地検特捜部は徳田議員や虎雄氏らの関与を慎重に調べています。 人心を金で買う 1980年代に鹿児島県奄美地方で展開された虎雄氏と自民党の保岡興治衆院議員の選挙戦は「保徳戦争」と呼ばれ、選挙違反が続出しました。運動員だった男性は「札束が飛び交い、数千人が買収されていた」と振り返ります。「名刺の下に一万円札が折り畳まれているのを見た」と話す徳田陣営の関係者もおり、次男の徳田議員が地盤を引き継いだ後も「組織ぐるみの買収選挙」(徳洲会元幹部)が続いたといいます。 この関係者によると、選挙に動員され