創立90年以上の歴史があるプロ吹奏楽団「大阪市音楽団(市音)」が今月、長く親しまれてきた名称を「オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ」に変えた。昨年4月に橋下徹大阪市長の改革の一環で市直営を廃止され、民営化してから間もなく1年になる。初年度から3年間は市から補助を受けられるが、その後は補助がなくなる。2年後に迫る完全自立化を見据え、市音は演奏会場を全国各地に求めたり、ホテルのディナーショーに新規参入したりと必死に営業活動を展開。市音は生まれ変われるか。(安田奈緒美) 「大阪」の冠が営業の妨げに? 「生まれ変わり」宣言の裏にある事情 「大阪市音楽団は生まれ変わります」 今年2月4日、大阪市北区のフェスティバルホールで開かれた第110回定期演奏会。すべての演奏が終わった後、舞台上で市音スタッフが高らかに宣言した。集まった約1800人の聴衆を前に、市音が3月から新名称で活動することを発表した