米金融大手リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)からわずか2週間後の昨年9月月末、アイルランドで競走馬セリ最大手のゴフスは毎年恒例の「ゴフス・ミリオンセール」を例年通り開いたが、今年はできず、それが最後の開催になってしまった。 ゴフスのヘンリー・ビービー最高経営責任者(CEO)は、ダブリン近郊の同社本社で、「競走馬は金があってこそ買えるもの。去年の時だって、そういうものを取引する時期じゃなかった」と振り返った。 アイルランド・サラブレッド生産者協会(ITBA)が出した今月4日付のリポートによると、アイルランド産競走馬の落札頭数はこの2年で65%減少し、種牡馬の種付け料も急落。今年、英国クラシック2冠と仏凱旋(がいせん)門賞を制し、すでに引退して種牡馬となったシーザスターズの種付け料も、好況時に見込める額の4分の3近くにまで引き下げられている。 国営の競走馬生産牧場、アイリッシュ・ナショ