紙の真ん中から鉛筆でしゃっしゃっしゃっと線をひいた。 線の集合体が大きくなって、あっちやこっちに線が向いて黒くなってきた。 丸く囲ってみたら海坊主に見えてきたから海坊主を描こうとした。 海坊主は完成したのだけれど、なんか寂しい気がする。 そうだとお洒落にハットをかぶせてあげて、お洒落に蝶ネクタイをつけてあげた。 せっかく頭と首元はお洒落になったのに服を着ていないのは可哀想だから、お腹にボタンをつけてジャケットを羽織らせてあげた。 ボタンがついているだけかもしれない。 それは見た人の感性に任せることにする。 (裸にボタンだけついているのも面白いよね。) そしたらば、ちょっとマジシャンにも見えてきたから、お髭をつけてあげて、ステッキを持たせてあげた。 良い感じのキャラクターが海中から飛び出してきた。 彼は海の魔法使い。 海面にハットが浮いていたら、きっと彼が気づかれないように海の中を移動してい